忍者ブログ

月桂樹の葉gift

寄贈して頂いたマージナルプリンス作品を展示しています。
[35]  [34]  [33]  [32]  [31]  [30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [25

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Happy X'mas

■作者:シハル姉さん
■シルフェ×レオシュ
Lehrer 続編

「でな?クリスマスにプレゼントがもらえなかったやつってのはブラックサンタにプレゼントを奪われたんだよ。」
「マジで?」
「マジマジ。普通の赤いサンタはプレゼントをきちんと配ってるんだよ。けどブラックサンタが配られたプレゼントをこっそり盗んでいくんだ。」
「それってサンタじゃなくて怪盗なんじゃ・・・。」
「格好がサンタ服なんだよ。黒いけど。」
保健室にて、談話中な俺と生徒達。
今日がクリスマスイヴってことでクリスマスにまつわる話を教えている最中だ。
「他にもゴールデンサンタってのがいて、こいつはサンタたちの中でも特別なやつなんだ。」
「特別?」
「そう。サンタってのは実はポイント制でイヴの夜、どれだけたくさんのプレゼントを配れたかでポイントが決まる。で、ゴールデンの称号は一夜で1000人以上の良い子達にプレゼントを配ったサンタだけに与えられるんだ。」
「1000人以上!?一人で!?」
「トナカイもいるから正確には一人じゃないけどまあそうだ。」
「ゴールデンになると何か違うの?」
「まずは金色のサンタ服が支給される。それから、次の年に使うソリがエンジン付きのものになる。んで、世界各国の美味しいスイーツがご褒美に出される。」
「世界各国のスイーツ!いいな~。」
「サンタは皆スイーツが大好きだから毎年ゴールデンを目指して大勢のサンタが競うらしい。」
こうやって話をしていると学生だった頃を思い出す。
在学中によく寮の後輩達にサンタの話をしていた。
目を輝かせて続きを聞かせてくれと言う者、サンタなんているわけがないと言う者様々だった。
今目の前にいる生徒達の中にもクリスマスにサンタからプレゼントをもらった記憶がない者もいる。
だからせめてこの学院にいる間はサンタを信じて、クリスマスの楽しい思い出を作ってもらいたい。
「ってか、なんでシルフェはそんなに詳しいんだよ。」
「シルフェが作った話だろ?それ。」
今まで大人しく話を聞いていた二人の生徒から声があがる。
「え!?お前ら知らないの?結構有名な話だぞ、これ。俺のいた国では誰でも知ってるんだけどなぁ。」
「そうなの!?」
「ああ。知らないやつなんていないと思うぞ。」
「なあ、今まで俺がクリスマスに何もプレゼントがもらえなかったのは黒いサンタに盗まれちゃってたからなのか?」
「そうだよ。黒いサンタは卑怯だから赤いサンタと直接対決しようとはしないんだ。」
「なんで?」
「赤いサンタはすごく強くて、黒いサンタは弱いから直接対決したら負けちゃうから配られたプレゼントを盗んでいく。
それで黒いサンタはすごく手馴れていて赤いサンタに気が付かれないよう盗むのは得意なんだ。
運悪く目をつけられた子供はせっかく赤いサンタがくれたプレゼントを見ることもできず悲しい思いをすることになる。
けどな、ここは地図にも載らない島だ。黒サンタもさすがにこんなとこにまで追いかけてきたりはしない。
だから今年は皆プレゼントがもらえるぞ。」
「もらえるの!?」
「もちろん。但し、良い子にしてないとサンタ来てくれなくなるかもしれないからちゃんと良い子にしてろよ?」
「うん!!」
サンタにプレゼントがもらえると言われて喜んでいる生徒と、イマイチ納得していない様子の生徒。
「信じられないか?」
「そういうわけじゃないけど・・・。」
「もしサンタが信じられないなら俺を信じろ。絶対プレゼントはもらえる。」
「・・・シルフェがそこまで言うなら信じてやる。けど、俺が信じるのはシルフェであってサンタじゃないからな!」
「おう。」
話に区切りがついたところで休み時間終了の鐘が鳴る。
生徒達を教室へ向かわせ、俺は街へ繰り出した。

街はクリスマス一色。どこもかしこもキラキラと輝いている。
「さて、どうすっかな。」
毎年何を贈るか迷う。あまり欲のない相手だとこういうときに困る。
色んな店を見てまわると、一際目を惹くものがあった。
シンプルだけどよく見ると凝ったデザインのカフスボタン。
きっと似合うだろう。まあ、レオシュは何をつけていたって似合うけど。
俺は一目惚れをしたカフスボタンをプレゼント用に包んでもらった。
「あとは・・・。」
生徒達へのプレゼントだ。
何を買うかは大体決めてきたけどとにかく量が多い。
「帰りはタクシー呼ぶかな。」
目星をつけていた店を片っ端から回り。ぬいぐるみやら音楽CDやらを買い込んだ。
シュヌーシア、アルファルド、ウーティス、3寮の生徒全員分あるか何度も確認する。
全員分あるのを確認して俺はタクシーを呼んだ。
「アルフォンソ学院までお願いします。」
タクシーの中で仕事用に購入した携帯電話を使って各寮のバトラーに連絡を取る。
「生徒達にさ、クリスマスプレゼント買ったんだ。んで、ちょっと協力して欲しいから門まで迎えに来て。」
3寮とも二つ返事でオーケーしてくれた。
学院にいる生徒達は大半がクリスマスにプレゼントなんてもらったことがないやつばかりだ。
だからせめて学院にいる間だけでもサンタの存在を信じてプレゼントをもらう喜びを知ってほしい。

学院に着くと各寮のバトラーが待機してくれたいた。
「待たせてごめんな。えっと、これがアルファルド分でこっちがウーティスの。で、こっちがシュヌーシアね。」
それぞれにプレゼントの入った袋を渡す。
「夜に生徒達の枕元にそのプレゼント置いといてくれる?
俺一人じゃ配りきれないからさ。頼むよ。」
バトラー達は快く了承してくれた。
「サンキュ。んじゃ、俺は保健室戻るから何かあったら連絡して。」
レオシュ用のプレゼントだけを持って保健室に戻る。


今日の講義が全て終了したことを告げるチャイムが鳴り響く。
愛しい人はもうすぐやってくる。
せっかくだから本当はどこかお洒落なバーにでも行って二人で飲み明かしたいところだが
俺の財布事情とレオシュがあまり酒が得意でないことから結局この保健室で過ごすことになった。
ノックなしにドアが開く音がした。見てみれば待ち人がそこにいた。
「レオシュ、メリークリスマス。」
「・・・メリークリスマス。」
「いつもと変わり映えしない部屋だけど一応クリスマスだからチキンとケーキを用意したんだ。あと、ニルギリの茶葉も。」
ワインではなく紅茶を用意したのはレオシュと一緒に楽しみたかったから。
そして俺は今レオシュへのプレゼントを渡すタイミングを見計らっている。
「レオ――」
「やる。」
差し出されたのは綺麗にラッピングされた細長い箱。
「もしかして、これ・・・。」
「街へ行ったときついでに買っただけだ。」
「俺、レオシュからクリスマスプレゼントがもらえてめちゃくちゃ嬉しいよ。ありがとう、レオシュ。」
「別にお前のために買ったわけじゃない。」
その言葉が照れ隠しだということは知っているから余計に愛しく思える。
「んじゃあ、はい。俺からレオシュへクリスマスプレゼント。」
少し驚いた顔をして、その後また照れ隠しの真顔になるレオシュ。
「ありがとう。」
「どーいたしまして。な、座って。チキン食べよ。」
プレゼントを交換して、チキンを食べて、ケーキを食べながら美味しい紅茶を飲む。
アルフォンソ学院で過ごすレオシュと二人きりのクリスマス。
今年は俺にとって最高のクリスマスとなった。


END


おまけ
~クリスマス当日~

「いたんだよ!サンタ!!」
「俺も朝起きたら枕元にプレゼントが置いてあってびっくりした!」
「僕、サンタさんからプレゼントもらったの初めてだよ。すっごく嬉しかった!」
保健室は今日も賑わっていた。
「な?サンタはちゃんと居ただろ?」
「うん!今までサンタとか信じてなかったけどこれからは信じるよ!」
「俺のとこに来たの赤いサンタかな、ゴールデンかな。」
「シルフェのとこには来たの?サンタさん。」
「おう。とびっきり美人なサンタだったぜ。」
「え~?本当に?シルフェはサンタさんに会ったの?」
「会ったぜ。俺だけの特別なサンタにな。」
「何それ~。」
「ほら、そろそろ鐘鳴るぞ。次の講義の準備があるんだろ?」
生徒達を送り出して俺はバトラー達に連絡を取った。
「あ、もしもし?上手くいったよ。サンキュ。え?いやいや、大したことじゃないって。
俺がやりたかったからやっただけだし。ほんと、気にすんなって。おう、じゃ来年もよろしくな。」
電話を切るとさっき送り出したはずの生徒が一人開いていたドアからこちらを見ていた。
「ん?どうした?」
「ありがとう、シルフェサンタさん。」
それだけ言って走っていってしまった。バレてしまったらしい。
ま、いっか。とりあえず喜んでもらえたわけだし。
俺が学院に生徒として居た頃はテオがサンタになってプレゼントをくれていた。
それが嬉しかったから、俺も生徒達を喜ばせたくてやったわけだし。
喜んでクリスマスに少しでも良い思い出を作って卒業してほしい。それが俺の願いだ。
「来年はもうちょっと上手くサンタができるよう頑張るかな。」


おわり



■管理人からのお礼
おまけの威力が凄まじい今作。
もちろん本編の良さあってこそのおまけですが。

まず本編で語られる、ゴールデンサンタとブラックサンタのエピソード。
初めて知りました! まさかのポイント制! サンタの世界も実力主義なのですね!
私も生徒達同様「マジで?」と興奮気味に、シルフェ先生のお話を聞かせて頂きました。
ゴールデン特典が世界各国のスイーツというのも良いですなあ。

そして、サンタからプレゼントを貰えなかったのは、ブラックサンタという泥棒サンタが居るから。
こちらがまた良い話だなあと感激しました。
『運悪く』ブラックに目を付けられてしまったからだ、という、あくまで『無作為抽出』の姿勢が良いですよね。
そんな良い話を、知っていて、生徒に話して聞かせるシルフェ先生がまた。
イイところあるじゃないですか、シルフェ先生! 惚れ直しました!

レオシュが登場する後半では、レオシュの新事実が明らかに。
>レオシュがあまり酒が得意でないことから
言われてみれば! 確かにすぐ赤くなりそう! 可愛い!(笑)
生徒にとってサンタだったシルフェ先生自身も、
とびっきり美人なサンタと幸せなクリスマスが過ごせてよござんした。

おまけのラストが個人的には今作のクライマックスだと思っております。
まず、生徒の一人に、サンタの正体がバレてしまったこと。
これはもう、この子にはバレないよりもバレたほうが良かったと思います。めでたし!
生徒にとっても、サンタさんにとっても、バレたことで、
お互いに幸せな気持ちになったのではないでしょうか。

そして最後の最後に語られる、シルフェ先生がサンタ役を買って出た理由が、
生徒時代、テオサンタからプレゼントを貰ったことが嬉しかったから。
こういうところがシュヌーシア寮、特有の良さだなあとしみじみ思いました。
優しさが受け継がれていくというか。ほんわかした気持ちになりました。
良い寮ですなあ、シュヌーシア。
夜はドSのシルフェ君も、シュヌーシア出身なんだな、と思いました(笑)

来年へ向けての最後の一言も良かったです。
来年もまたやってくれるんですね、シルフェ先生。
優しい先生に恵まれて、生徒達は幸せです。
シルフェサンタさん、メリークリスマスでした!
PR
butler HOME place
07 2026/08 09
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
HN:
呉羽
性別:
非公開
忍者ブログ [PR]
Template by repe