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月桂樹の葉gift

寄贈して頂いたマージナルプリンス作品を展示しています。
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butler

■作者:シハル姉さん
■シルフェ×レオシュ
Lehrer 続編

気候が安定してきたこの頃、ウーティスに新しいバトラーがやってきた。
新しいバトラーは俺とも歳が近い所為か、よく喋る。
よく言えば明るくて楽しい。悪く言えば鬱陶しい。
「シルフェー!!」
後ろから大声で名前を呼ばれる。
振り返ってみればやはり先ほど思い浮かべていたウーティスの新米バトラー、ジュン・シドウだった。
「お前、大声で名前呼ぶのやめろって何度言えば分かるんだよ。」
「ああ!悪い悪い。ついうっかり☆」
「うっかり☆じゃねぇよ。」
バトラーがこんなヤツで大丈夫なのか本気で心配になってくる。
「で、何か用?」
「うわ、冷たいな~。シルフェの姿を見かけたから声を掛けただけなのに。」
思わずため息を吐いてしまう。
「なあなあ、今日はレオシュさん一緒じゃないのか?」
「見ればわかるだろ。」
俺だって一緒に居たいけどレオシュは今絶賛講義中だ。
「ってか、なんでレオシュにはさん付けで俺は呼び捨てなワケ?」
「いや、だってレオシュさんは気高そうなイメージだしさ。」
確かにレオシュは学生時代女王とまで呼ばれていたくらいだ。気高いイメージがあっても不思議ではない。
「けど、お前にそう呼ばれるとムカつく。だからってレオシュを呼び捨てにしたらもっとムカつくけど。」
「じゃあ何て呼んだらいいんだよ~。」
「基本的にレオシュのことは呼ぶな。どうしても呼びたい場合はローズ先生でいいだろ。」
「えぇ~、他人行儀じゃん。それじゃ。」
「他人だろ?」
「同じ職場の仲間でショ。そんでお友達。ね?」
「誰と、誰が。」
「オレと、レオシュさんが。」
「ローズ先生、だろ?ついでに言うとレオシュはお前のこと友達だなんて思ってないから。」
「そっか、そうだよな。まだ友達って言えるほど話してないもんな。」
そう言って俯いたかと思えば突然笑顔でのたまった。
「けど時間の問題だよな!シルフェとはもう友達なわけだし。」
「はあ!?ちょっと待て。俺がいつお前と友達になったんだよ!」
「いつってオレがこの学院に来た日に。」
「俺はお前と友達になった覚えはない。」
「照れんなって!」
「・・・わかった。じゃあ、今からお前を俺の友達だと認めてやる。だから特別にシルフェ様と呼ぶことを許してやる。」
「ははっ!なんだよ、シルフェ様って!」
何故か思い切り笑うジュン。
不可解なやつだ。
「ひー、腹いて~。シルフェって面白いな。」
「“様”が抜けてるぞ、ジュン。」
「レオシュさんは今日いつ頃暇になるのかなぁ。」
知ってる?と問われればそりゃ、当然知っている。けど教えてやる義理もない。
「知ってるけど教えねー。そしてレオシュのことを気安く呼ぶな。」
「レオシュさんていいよな~。なんていうか、あの冷たそうな瞳がぞくぞくするっていうかさ。」
気安く呼ぶなと言った次の瞬間またもレオシュの名前を口にするジュン。
「レオシュが魅力的なのは当然だろ。ってかお前は何度言えばわかるんだよ。
レオシュは俺のレオシュなの。」
「本当に仲良いんだな。ということはシルフェはレオシュさんに蔑むような瞳でいつも見られてるのか!う羨ましい・・・。」
「はあ!?何でそうなるんだよ。レオシュが俺を蔑む理由がないだろ。お前ならともかく。」
「そうか。オレならそういう風にみてくれるのか。」
・・・少しわかってきたような気がする。俺はこいつとは合わない。
「お前きもちわるいな・・・。」
思わず呟いてしまった。聞こえてしまったかとジュンを見れば何やら困ったようなけれど嬉しそうな顔で笑っていた。
「!?」
「はあ~。シルフェは甘いな。」
「な、何がだよ。」
「オレを罵るならもっとキツイ言葉でなきゃ。」
「いや、罵るつもりもねぇしお前を喜ばせたいとも思ってねぇよ。」
一気に脱力してしまった。
こいつは所謂マゾなんだと理解した。
「悪いが俺にそういう趣味はない。」
「そういうって?」
「つまり、いじめて喜ぶようなやつをいじめる趣味はないってこと。
ちょっと嫌がるくらいのが楽しいし。」
だからレオシュが恥ずかしがってちょっと嫌がってるところを攻めるのが好きだ。
「なるほど。んじゃ、レオシュさんの前ではちょっと嫌がってみよう。」
真剣に考え込むジュンにため息を吐く俺。
「あのな、言っておくがお前にレオシュを会わせる気もないし
もし万が一会ってしまったとしてもレオシュはサディストじゃないからお前をいじめることはないからな。」
「えぇ!?そんな・・・。いや、でもあの冷たそうな瞳で見てもらえるならそれだけで!」
こいつはレオシュをなんだと思ってるんだ。
会わせるのは不服だがもういっそ会わせてレオシュがサドではないことを証明した方がいいような気もしてきた。
「とにかく俺はもう行くからいい加減ついてくるのはヤメロ。」
「行くってどこへだよー。」
「決まってるだろ。愛しいレオシュのとこへだよ。」
「いいなー。いいなー。俺も連れてって~。」
「嫌にきまってんだろ?」
さすがにイラついてぴしゃりと言い放つ。
大抵の人間はこれでついてこなくなるのだが・・・。
「おぉ~!今の!!今のすっげー良かった!!もう一回!」
まさかこれで喜ぶ人間がいるとは思ってもいなかった。
もうこれはこいつを撒くしかない。そう思って俺はダッシュで走って逃げた。

ダッシュで走ってレオシュとの待ち合わせ場所へ来た。
「レオシュ!ごめん、待たせたか?」
「いや、俺も今終わって来たところだ。・・・ところでそいつは誰だ?」
「!?」
恐る恐る後ろを振り返ればどこにはヤツがいた・・・。
「何でいるんだよ!!ってか追ってきたのか!?」
「いや~、シルフェ足、速いな。これでも、自信、あったんだけど、さすがに疲れたわ。」
息を切らしながらそう言った。こいつバケモノか何かか?
まさか追いつかれるとは思ってもみなかった。
「えっと、ウーティスの新任バトラーです。よろしく!」
息を整えてレオシュにそう挨拶した。
「・・・レオシュ・ブラッディ・ローズだ。歴史学と神秘学の講義を担当している。」
怪訝な目でジュンを見るレオシュ。その気持ちはわかるけど、こいつにそんな眼差しを向けるのは逆効果だ。
案の定、ジュンを見てみれば嬉しそうな顔でレオシュを見ている。
「レオシュさん、俺あなたのファンなんです!その冷たい眼差しに見つめられるだけでもう!」
俺になん断りもなくレオシュの手を握るジュン。俺は思わずジュンを足蹴にしていた。
「勝手に触ってんじゃねーよ。レオシュは俺のだって言ってんだろ。」
「痛っ!シ、シルフェ、痛いです。」
「ほぉ、痛いか。ならもう勝手にレオシュに触るんじゃねーよ。分かったか?」
「わ、分かりました・・・。」
「じゃ、俺とレオシュはこれから甘い時間を過ごすからお前は帰れ。」
「えー、それは嫌だなぁ。オレ分かったんだ。レオシュさんの冷たい視線もイイけどシルフェに罵られたりするのもイイなって・・・。」
「黙れ変態野郎。」
「ああっ!その冷たい視線!堪らないよ!!」
誰かこいつの口をもぎ取ってくれ・・・。
「二人の邪魔はしないからさぁ~。もうちょっとレオシュさんと話させてくれよ。」
「!?」
完全に傍観者となっていたときに自分の名前を出され、驚くレオシュ。
「・・・ジュン。俺とレオシュは恋人同士だ。お前の入る余地はない。」
「マジで!?へぇ~。」
「だからお前は帰れ。」
「うーん、どうしよっかな~。」
こいつを帰らせるにはどうしたらいいんだ。
冷たくしたら喜ぶ上についてこようとする。なら・・・。
「ジュン、頼むよ。俺とレオシュは教師同士であんまり堂々とイチャつくわけにもいかなくてこうして二人きりで会える時間は貴重なんだ。」
急に態度を変えた俺をどこか不思議そうにみつめるレオシュ。
ジュンはちょっと戸惑っているらしかった。
「シルフェがそこまで言うんなら仕方ない。今日は帰るよ。」
「悪いな。サンキュ。」
心の中でガッツポーズをしながらすまなそうに言う俺。
「大人しく帰るから、一つお願いしてもいいか?」
「・・・とりあえず聞くけど叶えるかどうかは内容次第だぞ。」
「レオシュさん!『帰れ、ジュン。』って言ってもらってもいいですか?」
レオシュは俺の方を見て俺が頷くのを確認して言った。
「帰れ。そして二度と俺の前に姿を現すな。」
普通ならば相当傷つく言葉だがジュンは嬉しそうに笑っている。
「ありがとうございます!!じゃ、また!」
言い残して帰っていく。
「・・・また来るつもりなのか?」
「また来るんだろうね。」
二人でため息を吐く。なんだかものすごく疲れた。
「さて、邪魔者はいなくなったわけだし行こうか。」
「どこへ連れて行くつもりだ。」
「勿論、俺の部屋。」
「なっ!まだ昼間だぞ!?」
「ふふ~ん、レオシュってば何を想像してるのかな~?まあ、想像通りかもだけど。」
「部屋には行かないからな!」
「まさか野外で?レオシュってばだいたーん。」
「そういう意味ではない!!」
「はいはい。それじゃあ大人しくついてきてね~。」
レオシュの手を握って少し強引に部屋へ連れて行く。
本当はずっと部屋に閉じ込めておきたいくらいなのを俺がどれだけ我慢しているのか君はわかってないんだろうね。
けど、そんなところも・・・。
「好きだよ、レオシュ。」


END


■管理人からのお礼
シハル姉さんからお誕生日プレゼント頂いちゃいましたー! わいわい!
私の好きなシルフェ君先生編のお話ですよー!
どうもありがとうございます!

さあ、スゴイ新キャラ出ました! ウーティスの新バトラー、ジュン君!
あのバトラーの後任者は、とんでもなくドMの方でした!(笑)

本作では強烈な個性を発揮しているジュン君ですが、
シルフェ君ファンとしましては、ジュン君の気持ちも解らないでもないと思いました。
レオシュとシルフェ君のことを見ていたい気持ちや、
シルフェ君に罵られたい気持ちは解る気が致します(笑)

この時代にもウーティスにアンリ系のキツイ生徒が居たら、
ジュン君は毎日幸せでしょうがないでしょうね!(笑)
仕事で何か失敗しても、生徒に罵られたりするのはカイカンなんでしょう(笑)
ジョシュア系の優しい生徒のほうが困るのかな。コーヒー零したとしても、
「ああ、気にしないで、バトラー。俺は大丈夫だから」
「ええっ!? 失敗した時には叱ってよ! 厳しく!」
優しくしたことに対して逆にダメ出しするみたいな(笑)
今回初登場ということで、普段のお仕事っぷりも気になりますね。

本作後半で、レオシュ狙いからシルフェ君狙いになりつつあるジュン君。
どちらにせよ負け戦の可能性が非常に高いわけですが(笑)
ウーティス寮で急患が出た時とかは、シルフェ君と良い連携プレイができそうですね。
テキパキとお医者さんの仕事をするシルフェ君をジュン君が見たら惚れ直しそうです。

そしてラストで「だいたーん。」って言ってるシルフェ君が可愛かったです!
教師×教師の密会は良いですなー。
この後はしっかりがっちりレオシュを充電したんでしょうね。レオシュは幸せ者です。
今作も素敵な作品をありがとうございました!
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