月桂樹の葉gift
寄贈して頂いたマージナルプリンス作品を展示しています。
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Miracle in beiden(後編)
俺は高等部に上がって、テオが生徒代表になった。
新入生がウーティスに二人入ってきた。
シュヌーシアにはミハイル・リューリコビッチ・ネフスキーという金髪碧眼の子が中等部三年に転入という形で入ってきた。
テオが楽しそうに学院案内をしているのを見かけた。
ミハイルは俺から見ればウーティスの姫サンよりずっと天使のように見えた。
金色の髪、碧い瞳。愛らしさを感じさせる顔。儚げな印象。背中に翼が生えてるんじゃないかと疑いたくなる。
ウーティスに入ってきたのはなんと、ハリウッドスターのアルフレッド・ヴィスコンティだった。
特に映画好きというわけではない俺でも知っているくらい有名なやつだった。
テオももちろん知っていたらしく、学院案内の後は楽しそうに話を聞かせてくれた。
ハリウッドスターだというのにテオと一緒に船に乗って大興奮だったとか。
一体どんな奴なのか。すごく興味が湧いた。会ってみたい。話をしてみたいと思った。
それから幾日に経たないうちに幸運が訪れた。城壁にてアルフレッドを発見。
「よっ!あんた、アフレッドだろ?俺はシルフェ・ダフラティン。テオの後輩で高等部一年。よろしくな!」
「・・・よろしく。」
ちょっと突然馴れ馴れしくしすぎたか?さすがに怪訝な目で見られた。
「テオから話聞いてさ、会ってみたいと思ってたんだ。俺は映画はあまり詳しくないけどあんたとは仲良くやれそうな気がするんだ。
そうだ!番組作るんだろ?楽しみにしてるよ。もしネタが欲しかったら言ってくれよ。いろんなヤツのいろんなネタ仕入れてるからさ。」
にやりと笑った俺を見て、アルフレッドも笑った。
「サンキュ。俺達仲良くやれそうだな!俺のことはレッドでいいぜ。ところで、お前楽器できるか?」
「残念ながら楽器はできねぇんだ。触ったことないしな。レッドは楽器もできるのか?」
「ギターくらいなら、な。」
「すげーな。楽器できるやつ探してるのか?シュヌーシアには残念ながらまともに楽器を扱えるやつはいないぜ。
ウーティスで探すのが一番いいと思うぞ。」
「そっかー。んじゃ、ウーティス内で探してみるか。」
「それがいいよ。けど、たまにはシュヌーシアに遊びに来てくれよな。」
「わかってるって。お前もウーティスに来いよ?」
「もちろん!」
俺とレッドの間に友情が芽生えた。やっぱり気が合う。
話してみるとハリウッドスターだというのが信じられなくなるくらい気さくで面白いやつだった。
ウーティスに入ってきたもう一人のやつは東洋人だった。
学院案内を終えたテオが興奮しながら話してくれた。
『東洋の黒い真珠!正にその通りだったよ!彼の瞳はとても神秘的で美しいんだ!』
東洋の黒い真珠ことハルヤ・コバヤシが入学してきた次の日からシュヌーシアはニッポンの和菓子というものが出されるようになった。
一週間毎日一種類ずつ“どらやき、たいやき、だいふく、だんご、ようかん、わらびもち、さくらもち”が出された。
東洋の黒い真珠が毎日シュヌーシアに来ておやつを食べるついでにその日のおやつについて色々なことを教えてくれた。
二日目のたいやきは鯛という名前の魚の形をしているところから名前がついたとか、
最終日のさくらもちは二種類あって、ドニが作ってくれたのは別名道明寺というものでもう一種別名長命寺というものがあるとか。
そんな話をしてくれた。よほど東洋の黒い真珠が気に入ったのか、テオは久しぶりに心からの笑顔を見せた。
「東洋の黒い真珠、ちょっと話があるんだ。ついてきて。」
皆にはすぐに戻るからと言い残して外へ出た。
「あんたが来てくれて良かったよ。
テオも嬉しそうだし、レオンやラビ、ミハイルも楽しそうだったしな。これからも良ければまた来てくれよ。」
「あ、うん。それは全然構わないんだけど・・・」
「なに?」
「東洋の黒い真珠って呼ぶのはやめてもらえないかな?なんか恥かしいよ。」
「んじゃ、何て呼んだらいい?」
「普通にハルヤでいいよ。元々ファーストネームで呼び合う決まりがあるんだし。」
「オッケー。じゃあハルヤ、レッドとバンド組むことになったんだって?すごいな。」
「え?あ、テオから聞いたの?」
「ああ。頑張れよ。ライブやるなら俺も観に行くし。」
「ありがとう。シルフェって実はいい人だよね。」
「当たり前だろ。」
そう言ってお互い笑い合った。さすがレッドとバンド組むだけあって俺とも話が合うようだ。
「そういえばなんで外に来たの?」
「いや、テオの前でテオが喜ぶからまた来いとはいえないだろ?」
「そうだね。」
「テオ、少し前まで元気なかったんだ。あれでも俺らの大事な生徒代表サマだしな。元気になってもらわないといけないわけよ。」
「うん。」
「だからおやつ目当てでもいいからさ、できればレッドも連れて一緒に来てくれよ。」
「わかった。」
「じゃ、そろそろ戻るか。」
二人でシュヌーシアへ帰り、ハルヤはウーティスに帰る前にと残っていたおやつを全て食べていった。
細いくせにやたら食べるやつ。それが俺のハルヤに対する印象となった。
レッド、ハルヤを通してウーティスのシルヴァンともよく話すようになった。
三人でシュヌーシアに来ることも珍しくなかったし、逆に俺がウーティスに遊びに行くことも増えた。
話してみればシルヴァンも面白いやつで、もっと早く話してみればよかったと思った。
それからというもの、俺はデッドプリンスのライブがあれば顔を出すようになった。
神秘学の講義でしか逢えない愛しい人物。もっと近づきたい。俺を見て欲しい。
講義の前と後に話しかけても無視されて、寮に遊びに行けば冷たい目で見られて。
それでも俺は懲りなかった。会うたび話しかけて、毎日アルファルドへ行って。
あるとき、このままでは進展しないと踏んだ俺は神秘学でわからないところがあるから教えてくれと頼んだ。
渋々ながら承諾してくれたレオシュ。ここからが俺の戦い。
特にわからないところがあったわけではないため、レオシュの言うことを聞いて頷いて返事をする。
「レオシュってやっぱ教え方上手いなー。ホント助かったよ。」
と言えば
「教える必要などなかっただろう。」
と返された。さすがに気付かれたらしい。
だから俺は言ったんだ。
「レオシュに教えてもらう必要はあったんだ。俺がレオシュが好きだから。」
その日はそのままシュヌーシアに帰ったけど、それから俺とレオシュの関係は大幅に変化した。
時間をかけてゆっくりと俺の存在をアピールした結果、レオシュは俺と深い関係になった。
同じベッドで眠る日もあるくらいに。
今日は次の生徒代表が決まる日。
テオの後を継ぐのはジョシュア・グラントに決まった。
数日後、テオの卒業パーティが開かれた。
主催はシュヌーシアの在校生全員。
シュヌーシアの生徒はもちろん、ウーティスの生徒もほぼ全員が参加している。
アルファルドの生徒も何人か参加しているようだ。
「テオ、ほんとに卒業しちゃうの?僕寂しいよ・・・。」
「ああ、ラビ。私も君のような可愛い後輩達を残して卒業してしまうのはとても寂しいんだ。けれど、これが永遠の別れではない。
卒業してしまってもいつでも会えるんだ。休暇になったらいつでも遊びにおいで。」
「テオ。一年間お疲れ様。あんたは俺の知る中で一番いい生徒代表だったよ。」
「ありがとう、シルフェ。けれど私の中での一番はやはりクラウスだよ。」
「知ってるよ。それでも俺はこの一年が一番楽しかったんだ。」
暑い夏の日、海辺で開催されたパーティ。
海が大好きなテオだから思い切り暑い日に開こうと皆で決めた。
太陽の熱で温められたなまぬるい海に飛び込む参加者。
海ではしゃぐ皆。テオの楽しそうな笑顔。今日開催して本当に良かったと思う。
だけど楽しい時間はあっという間で、気がつけば海も少し冷たくなってきていた。
「皆、今日は本当にありがとう。六年間とても楽しかったよ。会いたくなったらいつでも遊びに来ておくれ。」
そう言って迎えに来ていたタクシーに乗り込むテオ。
俺達は笑顔で見送る。いつでも笑顔だったテオの卒業だからなるべく涙は見せず笑顔でいこうと決めていた。
俺は高等部二年になってジョシュア・グラントが生徒代表になった。
ウーティスに一人新入生が来たらしい。
新入生はレッドの大ファンで上機嫌なレッドが俺に報告までしてきた。
同じ東洋人のハルヤとは早速仲良くなったらしく一緒にいるところをよく見かけた。
ニッポン大好きなシルヴァンは新入生にもニッポンのことを色々聞きまくっているようだ。
ミハイルは部屋からなかなか出てこないこともあって心配していたのだが
ウーティスの新入生と仲良くなったらしく度々ミハイルを訊ねてくることがあった。
先輩としてはとても嬉しく思う。
デッドプリンスは以前にも増してライブ活動を頻繁に行うようになった。
新入生のユウタというファンがついたことでレッドが調子に乗っているらしい。
俺は毎日レオシュに会いにアルファルドへ行った。
同じベッドで眠る日も多くなり、とにかく少しでも多くの時間を共有した。
だけど、どんなに想いを通わせてもレオシュは一学年上で、俺より早く卒業してしまう。
卒業してしまうのはとても悲しいことだがそんなことでへこたれる俺ではない。
レオシュの卒業後は俺の実家に居てもらうことになった。
俺が卒業したらレオシュと二人でどこか別のところに住むつもりだ。
まだ何も決まってはいないけれどレオシュが待っていてくれる。
それだけで俺は強くなれる。あと一年。この学院で学べることを幸福に思って今後役立つことを学ぼうと思う。
今日は生徒代表の引継ぎの日。
ジョシュアの後を継ぐのはウーティスの姫君ことアンリに決まった。
数日後、ジョシュアの卒業パーティが開かれた。主催者はユウタ。
パーティはとにかく盛り上った。レッドが書いた台本でジョシュアも巻き込んで芝居をやり、ユウタは絵を贈った。
芝居のタイトルは『PAINT』ユウタが描いたのはウーティスの皆の絵だった。
ウーティスを中心にシュヌーシア、アルファルドからも参加者は居た。
芝居の終焉と共にジョシュアの学院生活も幕を閉じた。
ジョシュアのパーティの数日後にシルヴァンの卒業パーティは開催された。
主催者はレッドとハルヤ。街で一番大きなライブハウスを貸しきってのパーティ。
ステージがある他はテーブルがいくつか置かれていた。そこには所狭しと各国の家庭料理が並べられていた。
今回は三寮のシェフが協力して作ってくれたらしい。
パーティはレッドの歌で始まった。一気に盛り上る会場。驚くシルヴァン。
顔を見合わせて大成功と笑うレッドとハルヤ。
レッドはシルヴァンをステージに上げてマイク前に立たせる。
ギターとベースの演奏が始まり、シルヴァンが合わせて歌い出す。
参加者達は料理をつまみつつデッドプリンスの最後のライブを楽しんでいた。
数曲歌い終わった後でシルヴァンが叫んだ。
「みんな大好きですー!」
そしてシルヴァンはステージから降りて外に待機していたタクシーに乗って行ってしまった。
慌てて追いかけるレッドとハルヤ。続くユウタと俺。
俺もシルヴァンとは割と仲が良かっただけにこれでもう会えなくなるのかと思うとさすがに寂しかった。
高等部三年の生徒代表はウーティスの姫サン。
レオンとラビは無事高等部に進学した。
二人共勉強が難しくなったと度々俺のところに来る。
そんな後輩が可愛くてつい意地悪をしたくなってしまう。
「シルフェー、これどうやって解くの?」
「これはな・・・――」
真剣に教えるフリをしてレオンの解いている問題の数式のプラスとマイナスを時折書き換える。
「あれ?なんか、いつまで経っても答え出ないんだけど・・・」
不思議そうにするレオンに耐え切れず吹き出す俺。
「あー!!また騙したな!?」
「悪い悪い。レオンがあんまり可愛かったモンでつい、な。」
「ぜってー嘘だ。ったく、なんでシルフェなんかに教わんなきゃなんねーんだ。」
「他に数学取ってて教えられるやつがいないからだろ?俺は優秀だからなー。」
「自分で言うか。」
「ラビは解けたか?」
「うーんと、これで合ってる?」
「ん。オッケイ。次の問題はこれの応用だからそのままやってみ?」
レオンはからかい甲斐があって面白いし、ラビは素直で可愛い。
俺にとってはいつまでも可愛い後輩な二人だけど、
中等部の新入生とかに勉強を教えていたりするところをみるといつの間にか成長していたのだと実感する。
高等部三年になって、俺も卒業のことを考えるようになった。
卒業してからどうするかなんて決めてない。とりあえず実家に戻って両親にレオシュのことを改めて紹介する。
そんで実家を出て二人でどこで暮らすってこと。俺とレオシュならやろうと思えばなんだってできる。
レッドは仕事のオファーが来ていて、また少しずつ受け始めたらしい。
パーマネントバケーションは終わりにすると言っていた。
ハルヤは実兄と話し合って、梅香流を継ぐことにしたと言っていた。
俺には日本舞踊というものはさっぱりわからなかったが、一度ハルヤが踊っているのをみたときは素直に綺麗だと思った。
アンリ姫は変わらず社長業を続けていくそうな。
ま、ある程度予想はついていたから噂を聞いた俺は納得した。
俺は誕生日が早いこともあり、同級生の皆より一足先に卒業することにした。
卒業パーティはレオンとラビが主催してくれるらしい。
いつまでも子供だと思っていた二人がパーティの主催をするなんてなんだか不思議な気分だった。
ハルヤは俺より誕生日が早いのだが梅香流の大事な発表の日の関係で少し時期をずらすと言っていた。
レッドは仕事が忙しくて卒業パーティどころではないのでひと段落してから開催するらしい。
レッドやハルヤの卒業パーティに参加できないのはとても残念だ。
とうとう俺の卒業パーティの日が来た。
開催場所はシュヌーシア寮のサロン。
「シルフェ、卒業おめでとう!!」
主催者の一人であるラビが言う。
「場所決めるの苦労したんだからな。」
「シルフェの思い出の場所にしようって話しててね、いろいろ考えたんだけどやっぱりここが一番だよねって。」
「そっか。俺の為に色々考えてくれたんだな。サンキュ。」
レオンとラビの頭を撫でる。
本当にこいつらは可愛いことをしてくれる。
シュヌーシア寮は俺にとって始まりの場所であり、最も多くの時間を過ごした場所だ。
それを最後の場所にしようというんだから嬉しくないはずがない。
「よし!んじゃあ今日は思いっきり騒ごうぜ!!」
身体が弱く、普段あまりはしゃぐことのできない後輩達も今日ばかりは思い切り騒げばいい。
どんなにはしゃいでも騒いでも誰も体調を崩したりしない。何故かそう感じた。
ドニが用意してくれた料理を頬張りながら後輩達と何気ない話をする。
「シルフェ!悪い。遅くなった。」
言って現れたのはレッドとハルヤ。
忙しいだろうにわざわざ予定を空けてくれたらしい。そのことがすごく嬉しかった。
俺はこのシュヌーシア寮で『共にある奇蹟』を何度体験しただろう。
こんなに良い友人と出会えた。可愛い後輩達と出会えた。
アルフォンソ学院に来て良かったと心の底から思う。
不思議な気分だ。もっと学院に居たいと思う気持ちと早く家に帰って父さん母さんに色んな話をしたいという気持ち。
そして愛しい人に一秒でも早く逢いたいと思う気持ちが同じくらい大きく膨れ上がる。
レッドから今度の映画で共演する人達の話を聞いて、ハルヤから日本にある梅の木にまつわる話を聞いて、
いつも話していたような世間話をして、笑いあう。
この愛しい時間は永遠なんかではなく、確実に終わりに近づいていた。
最後に、バトラーに写真を撮ってもらった。俺がいて、皆がいる写真。
卒業してもまたいつでも会えるやつもいれば、もう二度と会えないようなやつもいる。
だけどこの写真があれば、いつかまたこの場所に皆で集まるような、そんな気がする。
写真を撮ってもらった後は、パーティの参加者達に挨拶してタクシーに乗った。
「みんな!また会おうぜ!!」
タクシーを運転するのはアイヴィー。
「人気者だな、お前さん。」
「いやいや、あんたには負けるよ。」
二人でたわいもない話をする。
「あそこのカフェ、ケーキも美味いけど紅茶がすっげー美味いんだ。今度行ってみなよ。」
「俺あんまし紅茶って飲まないんデスけど。」
「コーヒーばっか飲んでると胃、壊すぞ。」
「ソーデスネ。ま、気が向いたら行ってみるよ。っと、そろそろ着くぜ。」
「アイヴィー。」
「ん?」
振り向いたアイヴィーに缶コーヒーを投げつける。
「うわっ!何すんだよ!」
「タクシー代。取っとけよ。」
「じゃ、まあいただきます。」
「今までありがとな。楽しかった。」
驚いた表情のアイヴィー。
「またな!」
そう言ってタクシーを降り、チャーター機に乗る。
チャーター機の中ではキャビンアテンダントのおねーさんと楽しい時間を過ごした。
チャーター機を降りてしばらく歩いた後、久々の実家に辿り着く。
ドアの前で深呼吸をして勢いよくドアを開ける。
「ただいま!!」
END
■管理人からのお礼
シルフェくん物語、高等部編です。前編の中等部編よりも、
学年が上がった分でしょうか、内容が盛りだくさんで、オトナですね(笑)
レッドとシルフェくんの出会いのシーンもありました。
番組の話をして仲良くなったんですね。相手の気を惹く才能があるなあと思いました。
ユウタの入学を、シルフェくんに報告してくるレッドが可愛くて面白かったです。
「そいつ、俺の大ファンでさー」なんて嬉しそうに話してたんでしょうね(笑)
ハルヤ入学時の場面では、当方のハルヤ、入学当夜にあった『おやつが一週間和菓子』
というエピソードの続きを書いて下さって、ありがとうございます。
そこで桜餅についての説明がありましたが、そう言えば二種類ありますよね。
関東のクレープ型を長命寺餅、関西の大福型を道明寺餅と呼ぶそうで。
それぞれ名前があったとは初めて知りました。気になったので語源を調べてみましたら、
前者は発祥が長命寺、後者は道明寺粉製だからだそうです。勉強になりました。
>「レオシュってやっぱ教え方上手いなー。ホント助かったよ。」
レオシュ視点のレオシュの指輪 続編、シルフェ視点のDatingをなぞった、あの名場面ですね。
>時間をかけてゆっくりと俺の存在をアピールした結果
当時の最終アピールを描いた作品がアルファルド/シュヌーシア、
その後のお話がれおしゅとしるふぇですよね。「俺のテクニック」について話しているので(笑)
シルフェくんに狙われたらもう逃げられないんでしょうね。
シルフェくんを動物で例えると『蛇』が近いような気がします、猛毒の。
いつのまにかすぐ後ろに居て、蛇の存在に気が付いた時には既に噛まれてる。
毒で侵され、動かない身体は、更に蛇に巻き付かれ、絡め捕られて、
逃げられなくなっている。シルフェくんの行動を見ていると、そんな蛇のイメージでした。
>「知ってるよ。それでも俺はこの一年が一番楽しかったんだ。」
この一年が一番楽しかったのは、レオシュと結ばれた年だから、でしょうか?
>芝居のタイトルは『PAINT』
この脚本は、The King and the New Worldの『PAINT』とのこと。
シルフェくん総集編と同時に、本当に今までの総まとめですね、本作は。
>「コーヒーばっか飲んでると胃、壊すぞ。」
と言っておきながら、タクシー代として渡したのは、紅茶でなく、缶コーヒー。
ちゃんとアイヴィーが好きなものを、プレゼントするところが素敵だなと思いました。
>キャビンアテンダントのおねーさんと楽しい時間を過ごした。
おねーさんを口説いて遊んだのでしょうね。
もしも、おねーさんが本気になっちゃったらどうするんですか、シルフェくん!(笑)
シルフェくんのことですから、そうならないように手加減はしていると思いますが!(笑)
>「ただいま!!」
ご両親と、何よりレオシュへの「ただいま!!」だったのだと思います。
このラストを見て、聖アルフォンソ学院に、入学できて良かったね、と思いました。
辛い生い立ちのシルフェくんですが、学院に来たことで、
楽しい六年間と大切な人を得ることができたのですから。
同様に、孤独な者だったレオシュも救われたと思います。
笑顔のエンディングになって、本当に良かったです。
今後は、レオシュと楽しく過ごして下さいね、昼も夜も(笑)
シハル姉さん、リクエストを遥かに超えた、
メモリアルなシルフェくん物語をありがとうございました!!
新入生がウーティスに二人入ってきた。
シュヌーシアにはミハイル・リューリコビッチ・ネフスキーという金髪碧眼の子が中等部三年に転入という形で入ってきた。
テオが楽しそうに学院案内をしているのを見かけた。
ミハイルは俺から見ればウーティスの姫サンよりずっと天使のように見えた。
金色の髪、碧い瞳。愛らしさを感じさせる顔。儚げな印象。背中に翼が生えてるんじゃないかと疑いたくなる。
ウーティスに入ってきたのはなんと、ハリウッドスターのアルフレッド・ヴィスコンティだった。
特に映画好きというわけではない俺でも知っているくらい有名なやつだった。
テオももちろん知っていたらしく、学院案内の後は楽しそうに話を聞かせてくれた。
ハリウッドスターだというのにテオと一緒に船に乗って大興奮だったとか。
一体どんな奴なのか。すごく興味が湧いた。会ってみたい。話をしてみたいと思った。
それから幾日に経たないうちに幸運が訪れた。城壁にてアルフレッドを発見。
「よっ!あんた、アフレッドだろ?俺はシルフェ・ダフラティン。テオの後輩で高等部一年。よろしくな!」
「・・・よろしく。」
ちょっと突然馴れ馴れしくしすぎたか?さすがに怪訝な目で見られた。
「テオから話聞いてさ、会ってみたいと思ってたんだ。俺は映画はあまり詳しくないけどあんたとは仲良くやれそうな気がするんだ。
そうだ!番組作るんだろ?楽しみにしてるよ。もしネタが欲しかったら言ってくれよ。いろんなヤツのいろんなネタ仕入れてるからさ。」
にやりと笑った俺を見て、アルフレッドも笑った。
「サンキュ。俺達仲良くやれそうだな!俺のことはレッドでいいぜ。ところで、お前楽器できるか?」
「残念ながら楽器はできねぇんだ。触ったことないしな。レッドは楽器もできるのか?」
「ギターくらいなら、な。」
「すげーな。楽器できるやつ探してるのか?シュヌーシアには残念ながらまともに楽器を扱えるやつはいないぜ。
ウーティスで探すのが一番いいと思うぞ。」
「そっかー。んじゃ、ウーティス内で探してみるか。」
「それがいいよ。けど、たまにはシュヌーシアに遊びに来てくれよな。」
「わかってるって。お前もウーティスに来いよ?」
「もちろん!」
俺とレッドの間に友情が芽生えた。やっぱり気が合う。
話してみるとハリウッドスターだというのが信じられなくなるくらい気さくで面白いやつだった。
ウーティスに入ってきたもう一人のやつは東洋人だった。
学院案内を終えたテオが興奮しながら話してくれた。
『東洋の黒い真珠!正にその通りだったよ!彼の瞳はとても神秘的で美しいんだ!』
東洋の黒い真珠ことハルヤ・コバヤシが入学してきた次の日からシュヌーシアはニッポンの和菓子というものが出されるようになった。
一週間毎日一種類ずつ“どらやき、たいやき、だいふく、だんご、ようかん、わらびもち、さくらもち”が出された。
東洋の黒い真珠が毎日シュヌーシアに来ておやつを食べるついでにその日のおやつについて色々なことを教えてくれた。
二日目のたいやきは鯛という名前の魚の形をしているところから名前がついたとか、
最終日のさくらもちは二種類あって、ドニが作ってくれたのは別名道明寺というものでもう一種別名長命寺というものがあるとか。
そんな話をしてくれた。よほど東洋の黒い真珠が気に入ったのか、テオは久しぶりに心からの笑顔を見せた。
「東洋の黒い真珠、ちょっと話があるんだ。ついてきて。」
皆にはすぐに戻るからと言い残して外へ出た。
「あんたが来てくれて良かったよ。
テオも嬉しそうだし、レオンやラビ、ミハイルも楽しそうだったしな。これからも良ければまた来てくれよ。」
「あ、うん。それは全然構わないんだけど・・・」
「なに?」
「東洋の黒い真珠って呼ぶのはやめてもらえないかな?なんか恥かしいよ。」
「んじゃ、何て呼んだらいい?」
「普通にハルヤでいいよ。元々ファーストネームで呼び合う決まりがあるんだし。」
「オッケー。じゃあハルヤ、レッドとバンド組むことになったんだって?すごいな。」
「え?あ、テオから聞いたの?」
「ああ。頑張れよ。ライブやるなら俺も観に行くし。」
「ありがとう。シルフェって実はいい人だよね。」
「当たり前だろ。」
そう言ってお互い笑い合った。さすがレッドとバンド組むだけあって俺とも話が合うようだ。
「そういえばなんで外に来たの?」
「いや、テオの前でテオが喜ぶからまた来いとはいえないだろ?」
「そうだね。」
「テオ、少し前まで元気なかったんだ。あれでも俺らの大事な生徒代表サマだしな。元気になってもらわないといけないわけよ。」
「うん。」
「だからおやつ目当てでもいいからさ、できればレッドも連れて一緒に来てくれよ。」
「わかった。」
「じゃ、そろそろ戻るか。」
二人でシュヌーシアへ帰り、ハルヤはウーティスに帰る前にと残っていたおやつを全て食べていった。
細いくせにやたら食べるやつ。それが俺のハルヤに対する印象となった。
レッド、ハルヤを通してウーティスのシルヴァンともよく話すようになった。
三人でシュヌーシアに来ることも珍しくなかったし、逆に俺がウーティスに遊びに行くことも増えた。
話してみればシルヴァンも面白いやつで、もっと早く話してみればよかったと思った。
それからというもの、俺はデッドプリンスのライブがあれば顔を出すようになった。
神秘学の講義でしか逢えない愛しい人物。もっと近づきたい。俺を見て欲しい。
講義の前と後に話しかけても無視されて、寮に遊びに行けば冷たい目で見られて。
それでも俺は懲りなかった。会うたび話しかけて、毎日アルファルドへ行って。
あるとき、このままでは進展しないと踏んだ俺は神秘学でわからないところがあるから教えてくれと頼んだ。
渋々ながら承諾してくれたレオシュ。ここからが俺の戦い。
特にわからないところがあったわけではないため、レオシュの言うことを聞いて頷いて返事をする。
「レオシュってやっぱ教え方上手いなー。ホント助かったよ。」
と言えば
「教える必要などなかっただろう。」
と返された。さすがに気付かれたらしい。
だから俺は言ったんだ。
「レオシュに教えてもらう必要はあったんだ。俺がレオシュが好きだから。」
その日はそのままシュヌーシアに帰ったけど、それから俺とレオシュの関係は大幅に変化した。
時間をかけてゆっくりと俺の存在をアピールした結果、レオシュは俺と深い関係になった。
同じベッドで眠る日もあるくらいに。
今日は次の生徒代表が決まる日。
テオの後を継ぐのはジョシュア・グラントに決まった。
数日後、テオの卒業パーティが開かれた。
主催はシュヌーシアの在校生全員。
シュヌーシアの生徒はもちろん、ウーティスの生徒もほぼ全員が参加している。
アルファルドの生徒も何人か参加しているようだ。
「テオ、ほんとに卒業しちゃうの?僕寂しいよ・・・。」
「ああ、ラビ。私も君のような可愛い後輩達を残して卒業してしまうのはとても寂しいんだ。けれど、これが永遠の別れではない。
卒業してしまってもいつでも会えるんだ。休暇になったらいつでも遊びにおいで。」
「テオ。一年間お疲れ様。あんたは俺の知る中で一番いい生徒代表だったよ。」
「ありがとう、シルフェ。けれど私の中での一番はやはりクラウスだよ。」
「知ってるよ。それでも俺はこの一年が一番楽しかったんだ。」
暑い夏の日、海辺で開催されたパーティ。
海が大好きなテオだから思い切り暑い日に開こうと皆で決めた。
太陽の熱で温められたなまぬるい海に飛び込む参加者。
海ではしゃぐ皆。テオの楽しそうな笑顔。今日開催して本当に良かったと思う。
だけど楽しい時間はあっという間で、気がつけば海も少し冷たくなってきていた。
「皆、今日は本当にありがとう。六年間とても楽しかったよ。会いたくなったらいつでも遊びに来ておくれ。」
そう言って迎えに来ていたタクシーに乗り込むテオ。
俺達は笑顔で見送る。いつでも笑顔だったテオの卒業だからなるべく涙は見せず笑顔でいこうと決めていた。
俺は高等部二年になってジョシュア・グラントが生徒代表になった。
ウーティスに一人新入生が来たらしい。
新入生はレッドの大ファンで上機嫌なレッドが俺に報告までしてきた。
同じ東洋人のハルヤとは早速仲良くなったらしく一緒にいるところをよく見かけた。
ニッポン大好きなシルヴァンは新入生にもニッポンのことを色々聞きまくっているようだ。
ミハイルは部屋からなかなか出てこないこともあって心配していたのだが
ウーティスの新入生と仲良くなったらしく度々ミハイルを訊ねてくることがあった。
先輩としてはとても嬉しく思う。
デッドプリンスは以前にも増してライブ活動を頻繁に行うようになった。
新入生のユウタというファンがついたことでレッドが調子に乗っているらしい。
俺は毎日レオシュに会いにアルファルドへ行った。
同じベッドで眠る日も多くなり、とにかく少しでも多くの時間を共有した。
だけど、どんなに想いを通わせてもレオシュは一学年上で、俺より早く卒業してしまう。
卒業してしまうのはとても悲しいことだがそんなことでへこたれる俺ではない。
レオシュの卒業後は俺の実家に居てもらうことになった。
俺が卒業したらレオシュと二人でどこか別のところに住むつもりだ。
まだ何も決まってはいないけれどレオシュが待っていてくれる。
それだけで俺は強くなれる。あと一年。この学院で学べることを幸福に思って今後役立つことを学ぼうと思う。
今日は生徒代表の引継ぎの日。
ジョシュアの後を継ぐのはウーティスの姫君ことアンリに決まった。
数日後、ジョシュアの卒業パーティが開かれた。主催者はユウタ。
パーティはとにかく盛り上った。レッドが書いた台本でジョシュアも巻き込んで芝居をやり、ユウタは絵を贈った。
芝居のタイトルは『PAINT』ユウタが描いたのはウーティスの皆の絵だった。
ウーティスを中心にシュヌーシア、アルファルドからも参加者は居た。
芝居の終焉と共にジョシュアの学院生活も幕を閉じた。
ジョシュアのパーティの数日後にシルヴァンの卒業パーティは開催された。
主催者はレッドとハルヤ。街で一番大きなライブハウスを貸しきってのパーティ。
ステージがある他はテーブルがいくつか置かれていた。そこには所狭しと各国の家庭料理が並べられていた。
今回は三寮のシェフが協力して作ってくれたらしい。
パーティはレッドの歌で始まった。一気に盛り上る会場。驚くシルヴァン。
顔を見合わせて大成功と笑うレッドとハルヤ。
レッドはシルヴァンをステージに上げてマイク前に立たせる。
ギターとベースの演奏が始まり、シルヴァンが合わせて歌い出す。
参加者達は料理をつまみつつデッドプリンスの最後のライブを楽しんでいた。
数曲歌い終わった後でシルヴァンが叫んだ。
「みんな大好きですー!」
そしてシルヴァンはステージから降りて外に待機していたタクシーに乗って行ってしまった。
慌てて追いかけるレッドとハルヤ。続くユウタと俺。
俺もシルヴァンとは割と仲が良かっただけにこれでもう会えなくなるのかと思うとさすがに寂しかった。
高等部三年の生徒代表はウーティスの姫サン。
レオンとラビは無事高等部に進学した。
二人共勉強が難しくなったと度々俺のところに来る。
そんな後輩が可愛くてつい意地悪をしたくなってしまう。
「シルフェー、これどうやって解くの?」
「これはな・・・――」
真剣に教えるフリをしてレオンの解いている問題の数式のプラスとマイナスを時折書き換える。
「あれ?なんか、いつまで経っても答え出ないんだけど・・・」
不思議そうにするレオンに耐え切れず吹き出す俺。
「あー!!また騙したな!?」
「悪い悪い。レオンがあんまり可愛かったモンでつい、な。」
「ぜってー嘘だ。ったく、なんでシルフェなんかに教わんなきゃなんねーんだ。」
「他に数学取ってて教えられるやつがいないからだろ?俺は優秀だからなー。」
「自分で言うか。」
「ラビは解けたか?」
「うーんと、これで合ってる?」
「ん。オッケイ。次の問題はこれの応用だからそのままやってみ?」
レオンはからかい甲斐があって面白いし、ラビは素直で可愛い。
俺にとってはいつまでも可愛い後輩な二人だけど、
中等部の新入生とかに勉強を教えていたりするところをみるといつの間にか成長していたのだと実感する。
高等部三年になって、俺も卒業のことを考えるようになった。
卒業してからどうするかなんて決めてない。とりあえず実家に戻って両親にレオシュのことを改めて紹介する。
そんで実家を出て二人でどこで暮らすってこと。俺とレオシュならやろうと思えばなんだってできる。
レッドは仕事のオファーが来ていて、また少しずつ受け始めたらしい。
パーマネントバケーションは終わりにすると言っていた。
ハルヤは実兄と話し合って、梅香流を継ぐことにしたと言っていた。
俺には日本舞踊というものはさっぱりわからなかったが、一度ハルヤが踊っているのをみたときは素直に綺麗だと思った。
アンリ姫は変わらず社長業を続けていくそうな。
ま、ある程度予想はついていたから噂を聞いた俺は納得した。
俺は誕生日が早いこともあり、同級生の皆より一足先に卒業することにした。
卒業パーティはレオンとラビが主催してくれるらしい。
いつまでも子供だと思っていた二人がパーティの主催をするなんてなんだか不思議な気分だった。
ハルヤは俺より誕生日が早いのだが梅香流の大事な発表の日の関係で少し時期をずらすと言っていた。
レッドは仕事が忙しくて卒業パーティどころではないのでひと段落してから開催するらしい。
レッドやハルヤの卒業パーティに参加できないのはとても残念だ。
とうとう俺の卒業パーティの日が来た。
開催場所はシュヌーシア寮のサロン。
「シルフェ、卒業おめでとう!!」
主催者の一人であるラビが言う。
「場所決めるの苦労したんだからな。」
「シルフェの思い出の場所にしようって話しててね、いろいろ考えたんだけどやっぱりここが一番だよねって。」
「そっか。俺の為に色々考えてくれたんだな。サンキュ。」
レオンとラビの頭を撫でる。
本当にこいつらは可愛いことをしてくれる。
シュヌーシア寮は俺にとって始まりの場所であり、最も多くの時間を過ごした場所だ。
それを最後の場所にしようというんだから嬉しくないはずがない。
「よし!んじゃあ今日は思いっきり騒ごうぜ!!」
身体が弱く、普段あまりはしゃぐことのできない後輩達も今日ばかりは思い切り騒げばいい。
どんなにはしゃいでも騒いでも誰も体調を崩したりしない。何故かそう感じた。
ドニが用意してくれた料理を頬張りながら後輩達と何気ない話をする。
「シルフェ!悪い。遅くなった。」
言って現れたのはレッドとハルヤ。
忙しいだろうにわざわざ予定を空けてくれたらしい。そのことがすごく嬉しかった。
俺はこのシュヌーシア寮で『共にある奇蹟』を何度体験しただろう。
こんなに良い友人と出会えた。可愛い後輩達と出会えた。
アルフォンソ学院に来て良かったと心の底から思う。
不思議な気分だ。もっと学院に居たいと思う気持ちと早く家に帰って父さん母さんに色んな話をしたいという気持ち。
そして愛しい人に一秒でも早く逢いたいと思う気持ちが同じくらい大きく膨れ上がる。
レッドから今度の映画で共演する人達の話を聞いて、ハルヤから日本にある梅の木にまつわる話を聞いて、
いつも話していたような世間話をして、笑いあう。
この愛しい時間は永遠なんかではなく、確実に終わりに近づいていた。
最後に、バトラーに写真を撮ってもらった。俺がいて、皆がいる写真。
卒業してもまたいつでも会えるやつもいれば、もう二度と会えないようなやつもいる。
だけどこの写真があれば、いつかまたこの場所に皆で集まるような、そんな気がする。
写真を撮ってもらった後は、パーティの参加者達に挨拶してタクシーに乗った。
「みんな!また会おうぜ!!」
タクシーを運転するのはアイヴィー。
「人気者だな、お前さん。」
「いやいや、あんたには負けるよ。」
二人でたわいもない話をする。
「あそこのカフェ、ケーキも美味いけど紅茶がすっげー美味いんだ。今度行ってみなよ。」
「俺あんまし紅茶って飲まないんデスけど。」
「コーヒーばっか飲んでると胃、壊すぞ。」
「ソーデスネ。ま、気が向いたら行ってみるよ。っと、そろそろ着くぜ。」
「アイヴィー。」
「ん?」
振り向いたアイヴィーに缶コーヒーを投げつける。
「うわっ!何すんだよ!」
「タクシー代。取っとけよ。」
「じゃ、まあいただきます。」
「今までありがとな。楽しかった。」
驚いた表情のアイヴィー。
「またな!」
そう言ってタクシーを降り、チャーター機に乗る。
チャーター機の中ではキャビンアテンダントのおねーさんと楽しい時間を過ごした。
チャーター機を降りてしばらく歩いた後、久々の実家に辿り着く。
ドアの前で深呼吸をして勢いよくドアを開ける。
「ただいま!!」
END
■管理人からのお礼
シルフェくん物語、高等部編です。前編の中等部編よりも、
学年が上がった分でしょうか、内容が盛りだくさんで、オトナですね(笑)
レッドとシルフェくんの出会いのシーンもありました。
番組の話をして仲良くなったんですね。相手の気を惹く才能があるなあと思いました。
ユウタの入学を、シルフェくんに報告してくるレッドが可愛くて面白かったです。
「そいつ、俺の大ファンでさー」なんて嬉しそうに話してたんでしょうね(笑)
ハルヤ入学時の場面では、当方のハルヤ、入学当夜にあった『おやつが一週間和菓子』
というエピソードの続きを書いて下さって、ありがとうございます。
そこで桜餅についての説明がありましたが、そう言えば二種類ありますよね。
関東のクレープ型を長命寺餅、関西の大福型を道明寺餅と呼ぶそうで。
それぞれ名前があったとは初めて知りました。気になったので語源を調べてみましたら、
前者は発祥が長命寺、後者は道明寺粉製だからだそうです。勉強になりました。
>「レオシュってやっぱ教え方上手いなー。ホント助かったよ。」
レオシュ視点のレオシュの指輪 続編、シルフェ視点のDatingをなぞった、あの名場面ですね。
>時間をかけてゆっくりと俺の存在をアピールした結果
当時の最終アピールを描いた作品がアルファルド/シュヌーシア、
その後のお話がれおしゅとしるふぇですよね。「俺のテクニック」について話しているので(笑)
シルフェくんに狙われたらもう逃げられないんでしょうね。
シルフェくんを動物で例えると『蛇』が近いような気がします、猛毒の。
いつのまにかすぐ後ろに居て、蛇の存在に気が付いた時には既に噛まれてる。
毒で侵され、動かない身体は、更に蛇に巻き付かれ、絡め捕られて、
逃げられなくなっている。シルフェくんの行動を見ていると、そんな蛇のイメージでした。
>「知ってるよ。それでも俺はこの一年が一番楽しかったんだ。」
この一年が一番楽しかったのは、レオシュと結ばれた年だから、でしょうか?
>芝居のタイトルは『PAINT』
この脚本は、The King and the New Worldの『PAINT』とのこと。
シルフェくん総集編と同時に、本当に今までの総まとめですね、本作は。
>「コーヒーばっか飲んでると胃、壊すぞ。」
と言っておきながら、タクシー代として渡したのは、紅茶でなく、缶コーヒー。
ちゃんとアイヴィーが好きなものを、プレゼントするところが素敵だなと思いました。
>キャビンアテンダントのおねーさんと楽しい時間を過ごした。
おねーさんを口説いて遊んだのでしょうね。
もしも、おねーさんが本気になっちゃったらどうするんですか、シルフェくん!(笑)
シルフェくんのことですから、そうならないように手加減はしていると思いますが!(笑)
>「ただいま!!」
ご両親と、何よりレオシュへの「ただいま!!」だったのだと思います。
このラストを見て、聖アルフォンソ学院に、入学できて良かったね、と思いました。
辛い生い立ちのシルフェくんですが、学院に来たことで、
楽しい六年間と大切な人を得ることができたのですから。
同様に、孤独な者だったレオシュも救われたと思います。
笑顔のエンディングになって、本当に良かったです。
今後は、レオシュと楽しく過ごして下さいね、昼も夜も(笑)
シハル姉さん、リクエストを遥かに超えた、
メモリアルなシルフェくん物語をありがとうございました!!
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呉羽
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