月桂樹の葉gift
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Miracle in beiden(前編)
■作者:シハル姉さん
■シルフェ
※Miracle in beiden=ドイツ語で「共にある奇蹟」
■シルフェ
※Miracle in beiden=ドイツ語で「共にある奇蹟」
5月10日シルフェ入学
生徒代表ジブリール
同時期入学アンリ
13歳の誕生日翌日、俺は聖アルフォンソ学院に入学した。
生徒代表だという人物に学院案内をされた。
「この学院は通常授業の他に特別授業を選択することができる。
神秘学、演劇、情報学、絵画、動物行動学など他にも色々ある。興味のあるものを受けてみるといい。」
「ふーん。試しに一回ずつ受けてみるとかできる?」
「特に回数に制限はない。受けたいときに受ければいい。」
「わかった。ならとりあえず受けてみてから決めるよ。」
学院内を一通り案内されてから最後に授業について教えてくれた。
その後は寮を案内してくれた。
「君の寮は第3寮。シュヌーシアだ。」
「シュヌーシア?」
「寮は3つあり、ウーティス、アルファルド、シュヌーシア。【何者でもない者】【孤独な者】【共にある奇蹟】という意味だ。」
「で、俺はシュヌーシアなわけか。あんたは?」
「俺はアルファルドだ。」
「なるほど。無意味に振り分けられてるワケじゃなさそうだね。」
俺の言葉にジブリールは一瞬驚いたような顔をした。
「とにかく楽しい学院生活になりそうだよ。案内してくれてサンキュ。何か困ったことがあったらあんたに尋ねることにするよ。」
「ああ。そうしてくれ。」
俺の入ったシュヌーシア寮は保健室が近いことで身体の弱いやつが多く入るらしい。
中等部から入って高等部に上がり、身体も強くなって年下の人間の面倒を見るというやつが大半らしいが。
俺がシュヌーシア寮に入ってまず出会ったのは太陽のようだと称されるやつだった。
黄金に輝く髪といつでも絶やすことの無い笑顔からそう呼ばれるようになったそうだ。
海運王の嫡男で跡取り。生まれたときから王子で、定められた運命があって。
自分とは正反対とも言える境遇の人間。
だけど不思議と一緒に居て嫌な気持ちにならない。それがテオ・メネシスだった。
学年は俺より2つ上。とは言っても授業が学年別ではないからあまり学年は関係がないような気がする。
シュヌーシアの人間もやっぱり『訳アリ』でここに来ているやつらばかりなのに、明るい笑い声が絶えない。
サロンは常に誰かが居て、そこに人がいるから自然と集まる。
俺が入学してから数ヶ月、新入生が来た。
高等部でシュヌーシアに入るやつらしい。しかもドイツ軍人の家系だとか。
「へえ。面白そうじゃん。」
噂の新入生に会ってみてすぐにこれから楽しくなりそうな予感がした。
その後、新入生クラウスをテオがえらく気に入った。いや、懐いたというべきか。
クラウスがどこかへ行こうとするとテオがついていこうとする。
最初は迷惑そうにしていたクラウスも段々面倒になったのか諦めたのか、テオがクラウスのあとをついていっても何も言わなくなった。
溜め息は吐くけど。
同じ頃、ウーティスにも新入生が入ったらしい。
そいつは相当な美人で天使のような容貌をしているらしい。
有名な錬金術師の家系で保証人を必要とせず入る事が出来る数少ない人物。
それがアンリ=ユーグ=ド=サン・ジェルマン。
サン・ジェルマン伯爵といえば俺が受けている特別授業神秘学でも度々話に出てくる人物だ。
俺は神秘学の授業で初めて聞いたが、学院に入る前から伯爵のことを知っている人物は多かった。
サン・ジェルマンの血を受け継ぐものは必ず神秘学の授業を受けることになっているとかで授業のときに天使とやらに会った。
確かに綺麗だった。
蒼い髪、金色の瞳。加えて白い肌。髪の色と目の色が逆だったらマジで天界の人間に見えるかもな。
俺には人間にしか見えないけど。性別が女だったら口説いてたかもしれないが男を口説く趣味は無い。
中等部2年になってこの学院生活が更に面白いものになってきた。
ウーティスの天使。いや、姫サンとでも呼ぶべきか。
氷の姫君と称されるアンリが入学時にはなかった毒舌を身につけた。1年間で色々学んだということか。
そして1年のときから割と一緒に居ることの多かったジョシュアとアンリがより一層仲良くなったらしい。
外で見かけるとき、大抵二人一緒だった。しかもジョシュアがアンリを見る瞳の奥に今までにはなかった感情が見て取れた。
「なるほど、ね。」
ロレートの王子サマは氷の姫君に特別な感情を抱いたらしい。自覚があるかどうかはわからないが。
あれでも一応姫サンは男だ。わかってない、わけじゃないよな。
まあ、他人の趣味に口を出すつもりはないから二人がどうなろうと俺には関係ないけどな。
進展がないのはテオ。クラウスのことどう思ってんのかイマイチ分かりづらい。
好意があるのは分かるけどどういった種類なのか。ま、これから変わるのかもな。
中等部3年になって変わったこと。まず、同じ寮のクラウスが生徒代表に選ばれた。
「クラウス!!君が今年度の生徒代表なのだって?おめでとう!やはり私の
目に狂いはなかったね。君ほど生徒代表ふさわしい人物はいないよ。」
クラウスが生徒代表就任式から寮に帰ってきた途端テオがくらいついた。
「ありがとう、と言うべきなのか?それは。」
「もちろんだよ!やはり君は人の上に立つべき人物なのだよ!」
「賛辞と受け取っておく。」
「クラウス、生徒代表就任おめでとう。」
「・・・お前から賛辞を受けるとは思わなかった。」
せっかく祝ってやったのに失礼だな。
「めでたいことを祝うのは人として当然だと思うけど?」
「そうだな。礼を言っておく。ありがとう。」
生徒代表に選ばれたっていうのにあまり嬉しそうに見えないのはクラウスだからか?
逆にテオは自分のことのように喜んでる。
「今夜はパーティだね!」
テオの発言により、クラウスの生徒代表就任を祝ってパーティを開くことになった。
そしてその夜、小規模なパーティが開かれた。
テーブルの上にはドニに頼んで作ってもらった夜食と軽いおやつ。紅茶にコーヒー、ハーブティー。
飾りつけはほとんどないに等しく、生徒代表就任祝いにしてはとても小規模なものだった。
皆でサロンに集まって就寝時間ギリギリまで騒いだ。それがすごく楽しかった。
父さん母さんと暮らしていたときも俺の誕生日にはこんな風にご馳走を作って祝ってくれた。この学院に入る前日も。
クラウスが生徒代表になって早速新入生がやってきた。シュヌーシアに二人入ってきた。
ラビとレオン。小柄で喘息持ちなラビ。ちょっと生意気だけど元気のいいレオン。
二人共俺の可愛い後輩だ。ラビは素直で可愛いし、レオンはからかい甲斐があって面白い。
ウーティスにも一人入ったらしい。入学初日から無断外泊をした愉快なやつ。
クラウスを振り回し、結局アイヴィーのところに泊まって朝帰り。なんとも興味深いヤツだ。
新入生の案内をしてあそこまで怒っていたクラウスは珍しくて面白かった。
そしてアルファルドにも一人、入った。
レオシュ・ブラッディ・ローズ。ものすごい美人だと噂になった人物。
ストレートロングの黒髪にエメラルドグリーンの瞳。
初めて会ったときは息を呑んだ。本気で女の人かと思うくらい綺麗だった。
俺と同じように神秘学の講義を取っているレオシュ。
授業中、ときどきチラリとレオシュの方を見てみると彼の視線は教授でも教科書でもなく、指に嵌められた指輪に向けられていた。
ルビーのように紅い石のついた指輪。白く細い指にそれはとても似合っていた。
だから俺は気になったんだ。指輪を見つめる瞳がなぜか悲しげに揺れていることが。
それからというもの、俺はレオシュにとにかく話しかけてみた。
単純に声を聴いてみたかった。一度聞ければ満足すると思ったが、逆だった。
もっと聞きたい、もっと話して欲しい。そう思うようになった。
ああ、俺はこの綺麗な人に恋をしたんだ。気がついてしまえば簡単なこと。
それならば、俺なしでは生きられないほど夢中にさせてみせる。
会うたび話しかけて、寮まで会いに行って。神秘学の講義は今まで以上に頑張って成績上位を狙った。
クラウスが生徒代表になってから、寮にいる時間が減った。生徒代表としての仕事があるらしい。
サロンで寂しそうにクラウスの帰りを待つテオの姿をよく見かけるようになった。
テオはクラウスに何を想っているのか。他の人間とは違うということは見ていればわかる。
でもそれだけだ。テオ、いいのか?クラウスはもう卒業まで一年ないんだぞ?
最近の二人を見ていると不安になってくる。このまま何もなく終わってしまいそうで。
卒業したら会えなくなるかもしれない、そんなことを考えたりはしないのだろうか。
俺だったらそんなのは嫌だ。テオが気がついて動かなければクラウスとはもう会うことはない。
もし万が一会えたとしても、海運王とその護衛だ。しかもクラウスは雇われている身。テオと気軽に話すことなんてできない。
「早く気付けよな、テオ。」
ウーティスの姫サンとジョシュアは相変わらず仲が宜しいようで。
一年前は分からなかったが、今ならわかる。
好きになった相手がたまたま同じ性別だったというだけでそれは別段特別なことではないのだと。
ジョシュアがアンリを特別に想い、アンリも恐らくは・・・。
そういえば新入生のあいつはあまり会ったことがないけれどどんなヤツなのか。
同じ講義を取ってない上に違う寮だと本当に会う機会って少ないよな。ま、そのうちきっと会えるだろう。
ある暑い日に、クラウスの卒業パーティの日程が決まったと知らされた。
「そういえば、もうすぐクラウスの誕生日だもんな。」
さすがにやっぱり寂しいと思う。三年間同じ寮で過ごしてきたしな。
「テオ!クラウスの卒業パーティ決まったって聞いたか!?」
「聞いたよ。こんなことを言ってはいけないのかもしれないけれど・・・寂しいね。
ずっと一緒にいられるような気がしていたんだ。何故だろうね。
ここは学院で、卒業は誰にでも訪れるものなのだと知っていたはずなのに。」
「テオ。クラウスに言ってみよう。卒業してからも会いたいって。叶うかどうかはわからないけど、何もしないよりはマシだと思うから。」
「ありがとう、シルフェ。そうだね。せっかく出会えたのだからこれっきりになってしまうのはあまりに寂しいものね。」
俺はいつからこんなおせっかいになったのか。でも、テオにはクラウスと一緒に居てほしい。必要なんだよ。テオにはクラウスが。
・・・いや、二人一緒に居てほしいと思うのは俺がテオに自分を重ねているからなのかもしれない。
レオシュは俺より一学年上で、先に卒業を迎える。今のテオとクラウスのように。
だからテオとクラウスが上手くいけば自分達も、という思いがあるのかもしれない。
「クラウス。今時間ある?」
「ああ、少しなら構わない。」
「ねえ、クラウス。卒業したら君は祖国へ帰るのかい?」
「そのつもりだ。」
「卒業してからも、会いたいと言ったら会ってもらえるだろうか。」
「・・・約束は出来ない。」
「それでは仕方ないね。」
「!?テオ、何言ってんだよ!なんですぐに諦めるんだよ。」
「シルフェ。クラウスはとても正直な人だ。
約束できないとはっきり言われたということはクラウスにも私にもどうにもできないということなんだ。」
「でも・・・。」
「ありがとう、シルフェ。クラウス、卒業パーティは私が主催しても構わないかな?」
「ああ。」
「それなら盛大なパーティにするよ。君が私達のことを決して忘れることのないように。」
今日はクラウスの後を引き継ぐ新たな生徒代表が決まる日。
一体誰が引き継ぐのか。次の生徒代表はテオがふさわしいのではという声も多い。
だが事情を知る俺としては複雑な気持ちだ。テオであってほしいような違う人物であってほしいような。
確かにテオならふさわしいと思う。これほど生徒代表に向いていそうな人物が他にいるとも思えない。
ただ、それはすごく残酷なことのようにも思える。
朝食時、テオがサロンに来た。・・・白い封筒を持って。次の生徒代表はテオに決まったらしい。
テオの表情はあまり明るくは見えなかった。クラウスが生徒代表に決まったときの方がよっぽど嬉しそうだった。
そして数日後、クラウスの卒業パーティは開かれた。
今までに見たこともないほど盛大なものだった。
テオの持っている船で行われたパーティ。青空の下、船の上には豪華な料理が並ぶ。
シュヌーシアだけでなく、ウーティスやアルファルドからもパーティに参加している生徒が見かけられた。
テオ主催のクラウス卒業パーティ。だからこそこれほどの人数が集まったのだろう。
希望者には衣装の貸し出しも行っていた。だが大半の生徒は制服のままだった。
クラウスもテオも制服だった。最後だから、制服で過ごしたかったというクラウス。テオは察したのかもな。
アルフォンソ島名産のものばかりが並ぶテーブル。ご馳走を作ったのはもちろんドニ。
この学院で食べる最後の食事だから、忘れられないように印象に残るものにしたらしい。
クラウスは皆に話しかけられて笑っている。テオはクラウスを見つめている。
今日ばかりはテオも元気がないように見える。生徒代表に選ばれたときの方がまだマシだった。
どうにかならないのか?せめて卒業前に二人きりでじっくり話すとか。
ふと思いついた俺はさりげなくクラウスの傍に近寄ってこう言った。
「クラウス、俺・・・酔ったみたい。」
俯きながら言えば顔は見えない。更に口元に手をやればそれっぽく見える。
「わかった。テオ!この船に個室はあるか?シルフェが酔ったらしい。そこで休ませてやれ。」
「一人じゃ歩くの辛い・・・。クラウス、連れてって。」
「シルフェ、大丈夫かい?珍しいね、君が体調を崩すなんて。」
クラウスに支えられ、テオに案内されて船の個室へ向かう。
「さ、着いたよ。」
「ありがとう、テオ。クラウス。ってことで俺は戻るから、二人はゆっくり話しておけよ。最後かもしれないんだろ。」
「シルフェ!?」
驚くクラウスと苦笑するテオ。
「俺は元気だから。心配すんなって。」
「誰が心配していると言った。怒っているんだ、俺は。」
「でも、ゆっくり話したいだろ。テオと二人でさ。」
「まあ・・・そうだな。」
「可愛い後輩の気遣いに感謝しろよ?」
「ありがとう。シルフェ。」
テオが素直にお礼を言った。
「んじゃ、ごゆっくり。」
そう言って部屋を出た俺には二人がその後どんな話をしていたのかわからない。
俺が皆のところに戻ると不思議そうな顔をされた。
「シルフェ、酔ったんじゃなかったのか?大丈夫なのかよ。」
「あー、うん。もう全然平気!」
皆と楽しく話していると二人が戻ってきた。
クラウスはすぐにまた他のやつらに囲まれた。クラウスと会えなくなるのが寂しいってのは皆同じなんだよな。
「テオ。ゆっくり話せたか?」
聞くとテオは頷いて、言った。
「とても満足だよ。色々話したんだ。今までのこと、これからのこと。」
「これからのこと?」
「そう。私が生徒代表になって何をすべきなのか。とかね。」
「で?クラウスはなんて?」
「今まで通りでいい、と。楽しいと思うことを思い切り楽しんでやれと言われたよ。」
「クラウスらしいな。」
「本当にね。最後まで彼らしくて、私を惹きつけてやまないよ。」
そう言って笑ったテオの顔はどこかすっきりとしていてほっとした。
「生徒代表、頑張れよ。」
「もちろん。せっかくクラウスから直接受け継いだのだからね。」
そして気がつけばもう空が青からオレンジに変わり始めていた。
パーティはもうすぐ終わる。クラウスがいなくなる・・・。
「さあ!パーティはもうすぐ終焉だよ。皆残ったご馳走は食べてしまわないと全て私の胃袋の中に入ってしまうよ?」
テオの言葉を合図に残っていたご馳走はあっという間になくなっていった。
「テオ。」
「クラウス・・・。」
「今日はお前のおかげでいい一日になった。きっと俺はこの日を忘れないだろう。」
「あなたに楽しんでもらえたのならパーティを主催した甲斐があったというものだね。」
船が陸に着いた。着いてしまった。クラウスと一緒に居られるのはここまで。
「元気でな。」
「いなくなると思うとやっぱ寂しいな。」
「いつかまた遊びに来いよ!」
「行っちゃやだよ・・・。」
虚勢を張る者、素直に寂しいと告げる者、引き止める者。様々だ。
でもテオは何も言わない。
「テオ・・・。」
テオはただ微笑んでいた。何も言えなかったのだろう。口を開けば引き止める言葉しか出てこないから。
「テオ。俺は、俺の後を引き継ぐのがお前で良かったと思っている。しっかりやれよ、生徒代表。」
クラウスの言葉にテオが小さく返事をした。
タイミングを見計らったかのようにアイヴィーが来て、クラウスはタクシーに乗って去っていってしまった。
今までいろんなやつを見送ってきたけど、クラウスとの別れは今までの中で一番心に残った。
後編へ
■管理人からのお礼
シハル姉さんのオリジナルキャラクタ・シュヌーシア寮の小悪魔シルフェくん。
「シルフェくんが、みんなをどう見ているのかが解るお話が読みたいです」
という私からのリクエストにシハル姉さんが答えて下さいました!
しかも、シルフェくんの入学から卒業までの六年間を、
ダイジェストでお送りするという超大作! ありがとうございます!!
本作はこれまでの作品の総集編なので、全作の一覧表を作ってみました。
★シルフェくん作品一覧★
第一作目:レオシュの指輪
ここで『レオシュの友人』として初登場。この時はまだ無名のキャラクタでした。
記念すべき第一声は「で、本当のとこ、どうなの?」 この口調、いいじゃないですか。
「あの子可愛かったです!」というラブコールに応えて、続きを書いて下さいました!
第二作目:レオシュの指輪 続編
レオシュ視点。シルフェくんがレオシュに「勉強を教えて」という今や名場面のお話。
二作目にて、シルフェくんの小悪魔なキャラが、ほぼ完全な形で確立しました。
第三作目:アルファルド/シュヌーシア
レオシュと結ばれるお話。ここで初めて『シルフェ』と素敵な名前が付きました。
第四作目:れおしゅとしるふぇ
結ばれた後のお話で、初めてシルフェくんの過去が語られました。
第五作目:Dating
シルフェ視点の「勉強を教えて」話。レオシュの指輪 続編のシルフェsideですね。
神秘学の講義で初めてレオシュを見た、という二人の出会いも描かれました。
第六作目: Anfang
シルフェくん入学以前に触れたお話です。パパママ初登場の回でもありましたね。
詳細なプロフィールと同時に、名字は『ダフラティン』と発表されました。
そして第七作目、シルフェくん物語・総集編が本作Miracle in beidenでございます。
前編は中等部編でした。
入学年にあるテオ評を読んで初めて、テオは正反対の人物だったんだなと思いました。
まず嫡出子というだけでも、シルフェくんにとっては羨ましいことなのですね。
孤児で定められた運命を持たないシルフェくんから見ると、テオはその全てを持っているんですね。
もしかしたら、憎悪や嫉妬の対象だったかもしれないのに、
>不思議と一緒に居て嫌な気持ちにならない。
それこそが太陽と称される所以なのだろうと思いました。
ジョシュアンについて、当初は奇異な目で見ていたシルフェくんですが、
レオシュが現れ、彼への気持ちに気付いたことで、
翌年には、ジョシュアンに理解を示すようになります。その後は更に、
はっきりしないでいるテオクラにおせっかいをするまでになりました。
作品のお題「シルフェくんが、みんなをどう見ているのか」を語りつつ、
シルフェくんの変化が解り易く描かれた、この構成力が素晴らしいと思います。
テオとクラウスのことが他人事に思えず、自分とレオシュのようだと重ねて見ていた。
先輩達の別れが、シルフェくんに与えた影響。
それが高等部に上がってからの強引なまでの行動力なのでしょうね。
続きまして、Miracle in beiden(後編)です。どうぞ!
後編へ
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呉羽
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