月桂樹の葉gift
寄贈して頂いたマージナルプリンス作品を展示しています。
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Anfang
俺の名前はシルフェ・ダフラティン。
施設にいた俺を今の両親が引き取ってくれた。子供ができなかった夫婦は施設に訪れた。そこで俺と出会った。
元・軍人の父は俺を軍に入れようとしているのだと思っていた。だから俺は引き取られてからずっと父さんについて身体を鍛えていた。
けれど、実は俺のいた国オーストリアは俺を引き取る前から永世中立国を宣言していて軍人は特に必要はなかったのだ。
4歳のとき引き取られて、13歳でアルフォンソ学院に入れられて正直途惑った。
両親から話があると言われ、やっと軍に入れてもらえるのかと思った13歳の誕生日目前のある日。
「シルフェ、留学してみないか?」
そう父から言われたときはついに捨てられるのかと思った。
「父さんの知り合いにかつてアルフォンソ学院というところに通っていたやつが居てな、そいつが言うにはとても良いところだったそうだ。」
「でも、父さん!俺は軍人になるんでしょ!?だったら・・・。」
ずっと、軍人になってそれで俺を引き取ってくれた両親にやっと報いることができると思っていたのに・・・。
「この国はな、随分前から戦争をしないと決めたんだ。だから軍人はもう必要ないんだ。」
「じゃあなんで俺を引き取ってくれたの?」
「施設で元気に走り回っていたお前を見て、お前が欲しくなったんだ。」
「そんな、じゃあ今まで身体を鍛えさせてたのは?」
「それは私が説明するわ。」
今まで黙って俺と父さんの話を聞いてた母さんが口を開いた。
「母さん・・・」
「父さんはね、男子たるもの強く逞しくなければいけないと思っているのよ。だから軍に入る入らないは関係なく鍛えさせていたの。」
「なんだよ、それ・・・。」
紛らわしいよ・・・。でも留学させるってことはやっぱり俺のこと邪魔になったのかな。
けど、10年近く育ててもらってこれ以上迷惑はかけられない。
「わかった。俺留学するよ。」
「良かった。いろんなことを勉強してくるのよ。」
「自分が本当にやりたいことを見つけてこい。」
「私達は貴方が帰ってくるのを待ってるわ。」
待ってる―その言葉を鵜呑みにはできなかったけれど俺は行くしかない。
13歳の誕生日を家で祝ってもらって次の日にはアルフォンソ学院へ行った。
俺が入ることになったのはシュヌーシア寮。3つある寮の中で一番相応しいところが選ばれると聞いた。
最初は何故この寮になったのか不思議だった。身体の弱い生徒が多く入るシュヌーシア。
『共に在る奇跡』という意味を持つシュヌーシア。俺は身体が弱いわけでもなくむしろ頑丈な方だ。
けれど入ってすぐに何故俺がこの寮になったのかがわかった。
優しい先輩や面白い先輩に囲まれて過ごす日々はとても楽しかった。
そして16歳の今、俺は『共に在る奇跡』を体験し、シュヌーシア寮に入った本当の意味を知った。
今なら両親が俺をここに入れた理由がわかるような気がする。
いらなくなったわけじゃなかった。俺を本当に大事にしてくれていたんだ。
きっと俺はこの学院を卒業したら胸を張って帰れる。
彼を連れて行って両親に紹介しよう。
「この人が俺の大切な人だよ」と。
END
■管理人からのお礼
シハル姉さんのオリジナルキャラ、シルフェ君のプロフィールが明かされましたね。
普段明るい小悪魔のシルフェ君ですが、こんなに辛い生い立ちだったとは。
本作は、シルフェ×レオシュの出会い話を書く為に書いたお話とのこと。
お話の為のお話を書くとは、流石でございます。
作者のシハル姉さんから伺ったところによりますと、シルフェ君は生まれてすぐ、
施設の門、もしくは扉の前に捨て置かれていたという設定だそうです。
愛情ある育ての親に恵まれましたが、聖アルフォンソ学院への留学を勧められたのは、
俺が邪魔になったからでは、という疑念を抱いたまま、親元を離れることに。
そして、聖アルフォンソ学院でレオシュと出会ったことで、
留学を勧めてくれた両親の意図を理解できた、という素敵なラストでした。
過去に最愛の人を失ったレオシュにとっても、シルフェ君の登場は救いになりましたが、
シルフェ君にとってもまた、レオシュは出会うべくして出会った存在だったんですね。
お互いがお互いの存在意義になったのだなと感じて、
二人とも聖アルフォンソ学院に入学して本当に良かったね、と思いました。
施設にいた俺を今の両親が引き取ってくれた。子供ができなかった夫婦は施設に訪れた。そこで俺と出会った。
元・軍人の父は俺を軍に入れようとしているのだと思っていた。だから俺は引き取られてからずっと父さんについて身体を鍛えていた。
けれど、実は俺のいた国オーストリアは俺を引き取る前から永世中立国を宣言していて軍人は特に必要はなかったのだ。
4歳のとき引き取られて、13歳でアルフォンソ学院に入れられて正直途惑った。
両親から話があると言われ、やっと軍に入れてもらえるのかと思った13歳の誕生日目前のある日。
「シルフェ、留学してみないか?」
そう父から言われたときはついに捨てられるのかと思った。
「父さんの知り合いにかつてアルフォンソ学院というところに通っていたやつが居てな、そいつが言うにはとても良いところだったそうだ。」
「でも、父さん!俺は軍人になるんでしょ!?だったら・・・。」
ずっと、軍人になってそれで俺を引き取ってくれた両親にやっと報いることができると思っていたのに・・・。
「この国はな、随分前から戦争をしないと決めたんだ。だから軍人はもう必要ないんだ。」
「じゃあなんで俺を引き取ってくれたの?」
「施設で元気に走り回っていたお前を見て、お前が欲しくなったんだ。」
「そんな、じゃあ今まで身体を鍛えさせてたのは?」
「それは私が説明するわ。」
今まで黙って俺と父さんの話を聞いてた母さんが口を開いた。
「母さん・・・」
「父さんはね、男子たるもの強く逞しくなければいけないと思っているのよ。だから軍に入る入らないは関係なく鍛えさせていたの。」
「なんだよ、それ・・・。」
紛らわしいよ・・・。でも留学させるってことはやっぱり俺のこと邪魔になったのかな。
けど、10年近く育ててもらってこれ以上迷惑はかけられない。
「わかった。俺留学するよ。」
「良かった。いろんなことを勉強してくるのよ。」
「自分が本当にやりたいことを見つけてこい。」
「私達は貴方が帰ってくるのを待ってるわ。」
待ってる―その言葉を鵜呑みにはできなかったけれど俺は行くしかない。
13歳の誕生日を家で祝ってもらって次の日にはアルフォンソ学院へ行った。
俺が入ることになったのはシュヌーシア寮。3つある寮の中で一番相応しいところが選ばれると聞いた。
最初は何故この寮になったのか不思議だった。身体の弱い生徒が多く入るシュヌーシア。
『共に在る奇跡』という意味を持つシュヌーシア。俺は身体が弱いわけでもなくむしろ頑丈な方だ。
けれど入ってすぐに何故俺がこの寮になったのかがわかった。
優しい先輩や面白い先輩に囲まれて過ごす日々はとても楽しかった。
そして16歳の今、俺は『共に在る奇跡』を体験し、シュヌーシア寮に入った本当の意味を知った。
今なら両親が俺をここに入れた理由がわかるような気がする。
いらなくなったわけじゃなかった。俺を本当に大事にしてくれていたんだ。
きっと俺はこの学院を卒業したら胸を張って帰れる。
彼を連れて行って両親に紹介しよう。
「この人が俺の大切な人だよ」と。
END
■管理人からのお礼
シハル姉さんのオリジナルキャラ、シルフェ君のプロフィールが明かされましたね。
普段明るい小悪魔のシルフェ君ですが、こんなに辛い生い立ちだったとは。
本作は、シルフェ×レオシュの出会い話を書く為に書いたお話とのこと。
お話の為のお話を書くとは、流石でございます。
作者のシハル姉さんから伺ったところによりますと、シルフェ君は生まれてすぐ、
施設の門、もしくは扉の前に捨て置かれていたという設定だそうです。
愛情ある育ての親に恵まれましたが、聖アルフォンソ学院への留学を勧められたのは、
俺が邪魔になったからでは、という疑念を抱いたまま、親元を離れることに。
そして、聖アルフォンソ学院でレオシュと出会ったことで、
留学を勧めてくれた両親の意図を理解できた、という素敵なラストでした。
過去に最愛の人を失ったレオシュにとっても、シルフェ君の登場は救いになりましたが、
シルフェ君にとってもまた、レオシュは出会うべくして出会った存在だったんですね。
お互いがお互いの存在意義になったのだなと感じて、
二人とも聖アルフォンソ学院に入学して本当に良かったね、と思いました。
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HN:
呉羽
性別:
非公開