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月桂樹の葉gift

寄贈して頂いたマージナルプリンス作品を展示しています。
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Dating

■作者:シハル姉さん
■シルフェ×レオシュ
レオシュの指輪 続編 のシルフェside
※Dating=ドイツ語で「出会い」

高等部に新入生が来たことは知っていた。
今年度の生徒代表は俺と同じ寮のクラウスだからということ、そして新入生が大変な美人であるということで噂になっているからだ。
けれど、噂の新入生は俺とは別の寮―アルファルド―に入寮した。
別の寮に見に行かずともいずれ会うこともあるだろうと思っていたら次の日に神秘学の講義にて噂の人物を見た。
彼も神秘学を取ることにしたらしい。
長い黒髪にエメラルドグリーンの瞳。線の細い身体。一瞬本気で女の人かと思った。それくらい綺麗だったんだ。
しかも紅い指輪をつけていてそれがまたすごくよく似合ってた。
噂の彼はレオシュという名で女王とも呼ばれているということがわかった。

それからというもの、俺は神秘学の講義が今まで以上に楽しくなっていた。
授業中、俺はこっそりレオシュを見つめた。見つめていて気がついたことはレオシュはよく嵌めている指輪を見つめるということ。
そしてそのときの表情が悲しそうだということ。
その悲しげな表情が忘れられず俺はときどきアルファルド寮へ顔を出すようになった。
アルファルドはシュヌーシアと違っていつ行ってもサロンには誰も居らず、シンと静まり返っている。
お目当てのレオシュも見つけられず帰ることも多かった。
レオシュの方は俺のことを知らないかもしれない。それならまず俺を知ってもらうところから始めよう。
「なあ、レオシュって何が好き?」
思い切って話しかけてみるも迷惑そうな顔で無視された。でもそこで諦めないのが俺。
「神秘学の講義を取ったってことは錬金術とかに興味があるの?それとも単なる好奇心?」
やっぱり何も言ってはくれない。ここまでくるとどうしても喋らせてみたくなる。
「紅茶は飲む?どの茶葉が好き?それともレオシュはコーヒー派?意外とジュースしか飲まなかったり?」
「うるさい。」
一言だけど喋ってくれた!
「やっと喋ってくれた。俺レオシュって実は喋れないんじゃないかと思って心配したよ。」
これは嘘。無視されてたことくらいわかってるけどとりあえず天然を装ってみる。
レオシュには怪訝な顔をされたけど。とりあえず声を聞かせてもらえただけでも大きな一歩である。

それからというもの、俺はレオシュに会うたびしつこいくらいにつきまとっていた。
「レオシュー、さっきの講義でわかんないとこあったんだけど教えてくんない?」
「教授に聞け。」
嫌そうな顔で断られても諦めず、次に会ったときにまた話しかける。
「レオシュ、この間街で美味しいお菓子買ったんだけど一緒に食わない?」
「いらん。」
食べ物にもつられない。さすがはアルファルド寮生。
それでも全く成果がないわけではなかった。
「レオシュー!おーい!これから帰るところ?なら一緒に行こう!」
神秘学の講義がなかった日にたまたま見かけて声をかけてみたら振り向いてくれた。
相変わらず嫌そうな顔はされたけれど。
最近では俺の顔を覚えてくれたらしく、話しかけても嫌そうな顔はするものの無視されることは減ってきた。
そして俺がアルファルド寮に行く回数も増えた。
レオシュが運良く見つけられたらラッキー。見つけられなかったらサロンでお茶して帰る日々。
そんなことを続けて気がつけば一年が経とうとしていた。俺は高等部に上がり、レオシュは2年になった。
いつものようにアルファルド寮に来ていた俺は運良くレオシュを発見した。けれど彼はまた悲しげな表情をしていた。
何故そんな顔をするのか。笑ったら絶対にすっごい綺麗なのにと思う。
「よっ!レオシュ。なんだよ、さえない顔してんなー。」
強気に声を掛けてみた。振り向いて嫌そうな顔をするレオシュ。
「何故ここにいる。」
すごく嫌そうに言うレオシュに気がつかない振りで答える。
「遊びに来たんだよ。当然だろ!ってわけだから遊ぼうぜ、レオシュ。」
「・・・・・・。」
レオシュはまた何も言ってはくれず、そのまま自室へ帰ろうとする。
それを追いかけながら更に声を掛ける。
「なあレオシュー。勉強教えてくれよ。神秘学で宿題が出ててさ、興味本位で取ってみたはいいけど難しくってわかんねーんだ。」
これは単なる口実。少しでもレオシュと一緒に居る時間がほしいだけ。
「・・・・・・。」
何も言わないレオシュに俺は言葉を続ける。
「難しいんだけどやっぱ面白いしきちんとやりたいけど一人じゃわかんなくってさ。教えてくれよ。」
言いながらレオシュの後をついていく。
「・・・わかった。」
そんな俺を振り返ってレオシュは諦めたのかついに返事をしてくれた。
「教えてやる。だが、文句は言うな。」
もちろん。言いませんとも。レオシュと一緒に居られるならね。
それからレオシュは無言で歩きだして俺はその後をついていく。着いた場所は図書館。
レオシュは問題の要点を教えてくれた。この教え方だと本当にわからなくて質問したやつにはわからないだろう。
けど俺はこれでも神秘学の成績は常に上位にあるくらい勉強しているから要点を教えてくれるだけでも理解できた。
「助かったよ、レオシュ。サンキュ。」
問題を全部終えたところでレオシュにお礼を言った。
「いや・・・。」
「レオシュって教え方上手いなー。ホント助かったよ。」
「・・・やめろ。」
「え?」
一瞬、天然を装っているのがバレたのかと思った。けど違った。
「教える必要などなかっただろう、本当は。要点を少し教えただけでできるくらいだ。ボージェ教授の教え方で解らないはずがない。」
「そんなことないって。教授の教え方は確かに上手いし解らないわけじゃない。けど、レオシュに教えてもらう必要はあったんだ。」
「何故だ。」
うわあ。本気で何故って聞かれるとちょっと傷つくな。
「俺がレオシュを好きだから。何でもいいからとにかく関わりたかったんだよ。」
「っ!?」
あ、びっくりしてる。全然気がつかなかったんだな。俺がこんなにアピールしてたのに。
「ま、そういうことだから今日はもう帰るよ。じゃ、またなレオシュ。」
今日これ以上攻めるより後日の方が多分効果があると思うしね。
レオシュに手を振って俺はシュヌーシア寮へと帰った。
これからどんどん強気で攻めていくから覚悟しとけよな、レオシュ。


END



■管理人からのお礼
こちらの作品は、シルフェ×レオシュの出会い話、かつ、
レオシュの指輪 続編 のシルフェside にもなっている豪華なお話です。

二人の出会いは、以前から気になっていたので、待望の場面が見られて嬉しかったです。
今回はシルフェ君の一人称ということで、あちこちにシルフェ君らしいモノローグが!

>でもそこで諦めないのが俺。
ですよね! 押せ押せなシルフェ君だもの!

>一言だけど喋ってくれた!
ここは珍しく素直なシルフェ君!(笑) 
「!」が可愛かったです。素直になってしまうほど嬉しかったんですね!

>これは嘘。無視されてたことくらいわかってるけどとりあえず天然を装ってみる。
でた!! さすがシルフェ君! そういう小悪魔なトコが大好きです!

>今日これ以上攻めるより後日の方が多分効果があると思うしね。
計算高いっ! 計画された犯行ですね!

どれもシルフェ君ファンには堪らない魅力的なモノローグで。
ごちそうさまでしたってかんじです。
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